プロジェクトGとは
1.目的(私たちが目指すもの)
「生涯にわたって健康で自立した生活を実践できる子供の育成」実現のための学校歯科保健の円滑で効果的な推進

2.背景
平成14年度の熊本県学校保健統計調査(熊本県学校保健会)
 約45%の児童生徒が未処置歯を有している。
 熊本県の小・中学校の児童生徒数の合計は約17万人 ⇒ 約8万人の子供たちがむし歯を放置。
◇平成15年度・学校の歯科保健に関する実態調査(健康づくり推進課・下記グラフ)
 中学1年生(12歳児)でむし歯保有率約70%、一人平均むし歯本数2.88本。
 健康日本21の指標である1本以下にはまだまだ遠く及ばない。
 CO(要観察歯)を有する生徒は25%で、4人に1人はむし歯になりかけの歯を有している。
 GO(要観察歯肉)を有する生徒は19%で5人に1人は歯肉炎になりかけの状態にある。
 G(歯肉炎)を有する生徒は4.5%でほぼ20人に1人は歯科医院での治療を要する状態にある。

   


歯科保健に関する学校での取り組みの状況(下記グラフ)
 治療勧告や広報の実施はほぼ100%。
 給食後の歯磨きの実施状況は小学校で92%、中学校では63%とやや減少。
 児童生徒を対象とした歯科保健教育・指導は小学校で67%、中学校では27%と減少。
 健康日本21指標:過去1年間に個別的歯口清掃指導を受けたことのある者の割合を30%以上に。
 保護者に対する講演会、小学校で10%、中学校では1.6%とほとんど実施されていない状況にある。

  
まとめ
1.児童生徒の歯・口の健康状態には課題が多く、治療や指導・管理の改善が求められる。
2.児童生徒への歯科保健教育の取り組みが小学校に比べ中学校で減っている。
3.保護者に対する講演会等の実施は、小・中学校ともに少ない。
◇学校歯科保健が健診と治療勧告に止まっており、保健管理、保健教育、組織活動の在り方の検討が必要である。

3.コンセプト(テーマ)

    


4.基本戦略
    
  @学校歯科医の役割
   
      
        学校保健の領域と内容(学校歯科医の活動指針・日本学校歯科医会編より)

  学校歯科医が学校の中で受け持つ仕事は、保健の三つの領域にまたがっている。すなわち、
  歯科保健管理・歯科保健教育・歯科保健組織活動を学校はもちろん、地域社会を巻き込み、
  関係者が連携を取りながら、バランスよく取り組んでいく必要がある


  A学校歯科保健の特性

       

  様々な保健教育の目的は健全な健康観・価値観を確立し、生涯にわたって健康で自立した
  生活を
実践できる児童生徒を育成することである。歯科保健はライフスキル教育の優れた
  教材とされて
いる。 その特性を充分に生かし、生涯にわたる健康増進のための基本的な
  生活習慣の確立を目指
した教育を実践していく必要がある。

  B学校歯科保健のためのパートナーシップ(連携

     

    連携(パートナーシップ)により互いが(地域が)エンパワーメントされる

  健康で生き生きとした生活を送るために、「健康なまちづくり、健康な人づくり」という
 ヘルスプロモーションの理念に基づく活動が各地域で展開されています。
  私たちは学校をヘルスプロモーション活動の重要な場と考え、学校保健における「保健管
 理・保健教育・組織活動」を通じて子どもたちの歯・口の健康状態を改善させることが、児
 童・生徒の「自律・自立」を促し「生涯にわたって健康で自立した生活を実践できる子ども
 の育成」につながると考えます。
  そのためには、まず家庭・地域社会(老人会、食生活改善推進協議会等)が生涯にわたる
 歯・口の健康づくりというテーマを「生活習慣」確立の一つの手段ととらえ、学校と幅広く
 結びつくことが大切です。歯科医師や歯科衛生士もまた、社会資源としての専門性を自覚し
 学校現場でその役割を果たさなくてはなりません。地域の社会資源を学校の現場に生かすた
 めに、それぞれの関係者が「みんなで元気に学校へ行こう!」という共通認識を持ち、現場
 の特性を生かした活動を計画し実践することで、子供たち自身が将来の貴重な社会資源に育
 ち、子どもたちと地域社会は「共生」の関係を構築することが出来ます。
  家庭・地域社会、行政、歯科医師・歯科衛生士、そして学校が連携した行動を起こすこと
 で、子どもたちのライフスキルが向上します。同時に、連携した行動自体により、それぞれ
 の関係者も地域の中でエンパワーメントされます。このように、学校という場で地域の歯車
 がうまく咬み合った時に、よりWell-beingな状態へとステップアップしていけると考えます。